乾癬はどんな病気?
2025.09.30
院長 小室 元
乾癬(かんせん)は、皮膚に盛り上がった皮疹ができ、しばしばかゆみを伴います。
日本人には、およそ40万人以上の乾癬の患者様がいるといわれています。
感染する病気ではないため、人にうつることはありません。
■乾癬の症状
皮膚の表面に白いフケのようなものが付着したり、時には銀白色のかさぶたのようになります。
発疹は、頭部・爪・肘・膝・すね・お尻などにできやすく、患者様によっては全身に膿疱ができて発熱したり、関節が痛んだりすることがあります。
■乾癬の治療
治療には、「外用療法」「内服療法」「紫外線療法」「注射療法」などがあります。 患者様の病気の状態や生活状況に応じて、治療を組み合わせます。 悪化と軽快を繰り返すので、根気よく治療を続けなければなりません。
最近は、ステロイド以外で効果が高い薬剤もありますので、良くなっていくことが可能です。当院では、効果が期待できる、生物学製剤による治療も行っています。
<外用療法>(薬を塗る)
・ステロイド外用薬で皮膚の炎症を抑える
・ビタミンD3外用薬で、表皮細胞の過剰な増殖を抑える
<内服療法>(薬を飲む)
・ビタミンA誘導体で、表皮細胞の過剰な増殖を抑える
・免疫抑制剤で皮膚の炎症を抑える
・酵素阻害剤で免疫反応を抑える
・抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬で、かゆみを抑える
<紫外線療法>
・皮膚に紫外線を照射し、皮膚の炎症を抑え、表皮細胞の過剰な増殖を抑える
<注射療法>
・乾癬の発症や悪化に関係するサイトカインの働きを阻害する薬剤を注射し、症状を改善させる
治療では、皮膚を良い状態に保つことが重要です。そのためには、バランスの良い食事と十分な睡眠を心がけましょう。また、食べ過ぎ、強い香辛料、過度の飲酒、喫煙を避けるようにしてください。入浴の際は、こすりすぎると症状がひどくなるため、やさしく洗うようにしましょう。適度な日光浴は効果的ですが、急激な日焼けは良くありません。
■当院の治療方針
皮膚の治療で重要なのでは、皮膚を臓器の1つとして捉えることだと考えています。
つまり、塗り薬だけでなく、臓器の状態を改善するために、内服薬や注射製剤も積極的に使用します。また、環境に左右されやすい臓器のため、生活状況を詳しく問診して、適切なアドバイスをしていきます。
乾癬の症状にお悩みの方は、ご相談ください。