医療コラム

掌蹠膿疱症

2025.08.30

院長 小室 元

動画「掌蹠膿疱症はどんな病気ですか?」

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手のひらや足の裏に、水ぶくれや膿のたまった皮疹(ブツブツ)が多数でき、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。
日本人には、およそ136,000人以上の患者様がいるといわれています。

■掌蹠膿疱症の症状
皮疹のでき始めにかゆみを感じることが多く、しばらくすると”かさぶた”になって、はがれ落ちます。
感染する病気ではなく、ほかの人にうつる(感染する)ことはありません。

■掌蹠膿疱症の原因
喫煙、扁桃炎、虫歯などの慢性的な感染症や金属アレルギー、ストレスが原因ではないかと考えられていますが、完全には解明されていません。

■掌蹠膿疱症の治療
治療には、「外用療法」「紫外線療法」「内服療法」「注射療法」などがあります。 患者様の病気の状態や生活状況に応じて、治療を組み合わせます。
※ただし、扁桃炎や虫歯、金属アレルギーなどの掌蹠膿疱症を悪化させる要因があれば、まずはその治療を優先します。
最近は、ステロイド以外で効果が高い薬剤もありますので、良くなっていくことが可能です。当院では、効果が期待できる、生物学製剤による治療も行っています。

治療では、皮膚を良い状態に保つことが重要です。そのためには、バランスの良い食事と十分な睡眠を心がけましょう。また、食べ過ぎ、強い香辛料、過度の飲酒、喫煙を避けるようにしてください。入浴の際は、こすりすぎると症状がひどくなるため、やさしく洗うようにしましょう。適度な日光浴は効果的ですが、急激な日焼けは良くありません。

当院の治療方針
皮膚の治療で重要なのでは、皮膚を臓器の1つとして捉えることだと考えています。
つまり、塗り薬だけでなく、臓器の状態を改善するために、内服薬や注射製剤も積極的に使用します。また、環境に左右されやすい臓器のため、生活状況を詳しく問診して、適切なアドバイスをしていきます。

手のひらや足の裏の皮疹(ブツブツ)にお悩みの方は、当院にご相談ください。