転倒を予防して骨折を防ぐには
2025.06.30
院長 小室 元
骨粗鬆症チェックをしてみましょう。あなたはいくつ該当しますか?
<骨粗鬆症チェック>
☐60歳以上の女性
☐背中が丸くなってきている
☐ピークより身長が2cm以上縮んでいる
☐ちょっとしたことで転倒する
☐親・兄弟姉妹が骨折したことがある
1つでも該当した方は骨粗鬆症の可能性があり、転倒すると骨折のリスクが高いです。
まずは、「骨密度検査」を受けましょう。
<骨粗鬆症のメカニズム>
ヒトの身体は、古くなった骨を吸収し、新しい骨をつくるというサイクルを繰り返しています。
しかし、加齢によるホルモン分泌量の低下などが原因で、骨形成よりも骨吸収の方が多くなってしまうと、骨がスカスカになります。これを「骨粗鬆症」といいます。
骨粗鬆症になると、転倒や軽度の打撲で骨が折れやすくなります。
特に、60歳以上の女性、70歳以上の男性は骨粗鬆症になりやすいことがわかっています。
また、年をとると、徐々に歩行能力が衰えて、立つことが不安定になっていきます。
さらに筋力が減少し、神経の障害もあり、ふらついて転倒しやすくなります。
これらは医学用語で「フレイル」と呼ばれる状態です。
脊椎の圧迫骨折(腰背部)や大腿骨頸部骨折(太ももの付け根)を起こすと、歩行能力がますます落ち、さらにフレイルが進行して、介護が必要になることも多いのです。
そのため、高齢者の方は、転倒予防のための運動やリハビリ、骨粗鬆症の治療が重要です。
■転倒による骨折を予防するには
(1)骨密度検査
まずは、骨密度検査を受け、ご自身の骨の状態を知りましょう。
当院では、DXAという専門装置を用いた骨密度測定が可能です。
(2)リハビリ
歩くことやストレッチ、筋力トレーニングが効果的です。
当院のリハビリテーション科では、様々な予防運動を指導しています。
(3)バランスの良い食事
栄養バランスの良い食事も、骨粗鬆症の予防につながります。
カルシウム(牛乳、魚、海老、小松菜、大豆など)やビタミンD、ビタミンKを積極的に摂りましょう。
当院では、管理栄養士による栄養指導も行っています。
(4)骨粗鬆症の治療
骨粗鬆症になっても、病気の進行を抑え、骨折予防効果が期待できる薬が開発されています。
飲み薬のほかに、注射や点滴薬もあり、患者様の持病や生活状況に合わせて薬を選択できます。
(5)変形関節・変形脊椎の治療
転倒予防のために、変形関節や脊椎の手術で歩行能力を改善させるという方法もあります。
(6)環境調整
介護保険での手すり設置や介助などの環境調整も大変重要です。
いずれも、当院で治療・手配が可能です。お気軽にご相談ください。