医療コラム

関節リウマチの治療薬による合併症

2024.02.29

非常勤医 尾本篤志
日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医
日本内科学会 総合内科専門医

関節リウマチをはじめとするリウマチ・膠原病疾患は、免疫の異常によっておこる病気ですので、その治療の多くは、免疫を調整、抑制するものになります。そのため、おおむね感染症(細菌、ウイルスなど)のリスクはあります。傷の治りも悪くなります。ですので、治療中はうがい、手洗い、マスクなどの感染対策は必要です。咳、痰、発熱、発赤、下痢、息切れなどの症状があれば、早めに受診してください。
特に、JAK阻害剤は、帯状疱疹のリスクを上昇させることが知られていますので、皮膚の症状には注意する必要があります。

治療薬で最も多彩な副作用があるのがグルココルチコイド(いわゆるステロイド剤)です。非常に良い薬ですが、量や期間などに注意が必要です。副作用として骨粗鬆症、胃腸症状、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、精神症状、白内障、緑内障、体重増加、満月様願望などがあります。

関節リウマチで最も使用される薬剤はメトトレキサート(リウマトレックス®)です。副作用として、頻度の多いものとしては口内炎、胃腸症状、肝機能障害、頻度の少ないものとして肺炎、貧血、白血球減少、悪性リンパ腫などがあります。飲み方を誤ると重篤な副作用が出る恐れがありますので、必ず指示通りに内服してください。

生物学的製剤については、すべての薬剤で頻度は少ないものの、注射部位反応、アレルギー症状が出る場合があります。
TNF阻害剤(インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、オゾラリズマブ)は、まれに結核、心不全の悪化、神経疾患の発症が報告されています。
IL-6阻害剤(トシリズマブ、サリルマブ)は、他の薬剤よりも感染症の頻度は多いかもしれません。T細胞に作用するアバタセプトは比較的感染症が少ないとされています。
IL-17阻害剤、IL-23阻害剤は、比較的副作用は少ないとされています。一部の薬剤でカンジダ(カビ)感染症が増加するといわれています。
JAK阻害剤は、肝機能障害、白血球減少、貧血、血小板減少などの副作用がまれにみられます。また、海外の報告で、一部の患者で心臓疾患や悪性疾患、血栓の病気が増加する可能性が示唆されています。