医療コラム

訪問診療について

2024.03.08

常勤医 小串 むつみ

当院で訪問診療を担当している小串です。
ここでは、訪問診療についてご案内いたします。

「訪問診療」とは、主には「ひとりで通院が困難になった患者様に、自宅や施設などへ医療者が出向く定期的な診療」です。あらかじめ主治医と患者様・家族や介護支援専門員(ケアマネジャー)などが事前に話し合って、例えば、1週間に1回や2週間に1回、何曜日の何時から、といった具体的な計画を立て、その計画にそって医師が計画的・定期的に出向き診療を行います。患者様の病状悪化を防ぐことが主な目的です。
訪問看護や薬剤師の訪問、訪問リハビリテーションなども組み合わせて行うことにより、入院とそれほど変わらない医療も可能です。

当院では、午前と午後の外来診療の間に訪問診療を行っております。
医師がご自宅に訪問して必要な診療や処置を行い、スマートフォンを介して医療スタッフが遠隔で診療内容を記録、処方箋などの必要書類を薬局や他機関と連携がスムーズに運ぶようなシステムで行っています。

また、医療行為とは別に、在宅療養において、実際の服薬や食事・排泄・入浴・清潔保持といった生活を維持することは、介護士やご家族の方々の実働なしには成立しないものです。診療時間は数分ですが生活は毎日続くわけで、介護士やご家族との時間を上手に過ごして、質の良い生活を維持しましょう。

療養されるご本人は、バランスの良い栄養補給や良い睡眠をとることを心がけ、できれば趣味や楽しみを持って心穏やかに療養する、これも大切な要素かと思います。
今は興味がなくても昔好きだったことや懐かしい思い出など、訪問診療の際にそんなお話しを伺えたら、私にとっても幸いです。