医療コラム

高齢者の転倒予防について

2024.01.12

院長 小室元

頭と体はいつまでもしっかりしていたいというのが高齢の方の希望ですが、年齢とともに徐々に歩行能力がおちてきて、立位も不安定になっていきます。これを最近は「フレイル(虚弱になっている状態)と呼ぶようになっています。

フレイルになっていくと、筋力が減少(これをサルコペニアといいます)して、神経の障害もあり、ふらついて転倒するようになります。高齢者は骨粗鬆症の進行で骨がもろくなっており、転倒により骨折をおこします。脊椎の圧迫骨折(腰背部)大腿骨頸部骨折(股関節)をおこすと歩行能力がますます落ちることになり、さらにフレイル状態が進行し介護が必要となってくる方も多いのです。

ですから、転倒予防のための運動やリハビリ、骨粗鬆症の治療は重要です。身長が2cm以上縮んでいる方や血縁で高齢者骨折を起こした方がいらっしゃれば、骨粗鬆症からの転倒骨折のリスクはあります。

転倒を予防するには筋力の回復のリハビリ、ビタミンDやカルシウムの摂取や骨粗鬆症治療薬の投与、変形関節の矯正や脊椎での神経障害解除(手術)、介護保険での手すり設置や介助などの環境調整などをおこなうことができます。

いずれの治療も当院で相談可能です。不安な方はいつでもご相談ください。