医療コラム

関節リウマチの合併症について

2024.01.12

非常勤医 尾本篤志
日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医
日本内科学会 総合内科専門医

関節リウマチの合併症には、大きく分けて3つあります。

  1. 関節リウマチが引き起こす合併症(関節以外にも病変が出ることがあります)
  2. 関節リウマチにほかの疾患が合併するもの
  3. 治療薬による副作用

それぞれを詳しく見ていきましょう。

1. 関節リウマチが引き起こす合併症

目の病気
  • 強膜炎、ドライアイ
    目の渇き、目が霞む、目が痛いなどの症状があれば眼科を受診しましょう。
皮膚の病気
  • リウマトイド結節
    関節の近くにしこりのようなものができます。基本的に治療は必要ありません。
  • 皮膚潰瘍
    ステロイドや抗リウマチ薬の治療強化が必要な場合があります。
肺の病気
  • 間質性肺炎(肺線維症)
    20~30%の患者様にみられます。個人差が非常にあり、非常にゆっくり進む人と、比較的早く進む方がいらっしゃいます。ですので、定期的な胸部X線検査が必要です。
    息切れ、空咳などがあれば、主治医に報告してください。
心臓の病気
  • 心膜炎
    非常にまれです。
  • 虚血性心疾患
    関節リウマチの患者さんは、そうでない方に比べて、心筋梗塞になるリスクが比較的高いとされています。リウマチの活動性が高いほうがなりやすいと報告されています。
腎臓の病気

関節リウマチの患者さんは、そうでない方に比べて腎臓の機能が早く低下することが報告されています。尿に蛋白が出ることもあります。関節リウマチの影響、あるいは薬剤の副作用などが考えられています。定期的な血液検査が必要です。

貧血

リウマチの活動性が高いと、炎症が持続することで貧血が進行すると言われています。定期的なチェックと、リウマチのコントロールが重要です。

2. 関節リウマチにほかの疾患が合併するもの

関節リウマチに合併するものとして、膠原病があります。その中で、シェーグレン症候群という膠原病が、合併率が高いとされています。眼の渇き、口の渇きなどの乾燥症状で発症することが多いです。そのほかの膠原病では、皮疹、発熱、しびれ、筋肉痛などが生じることがありますので、気になる症状があれば、必ず主治医に相談してください。

また、骨粗鬆症も高い確率で合併します。通常の方よりも若く骨粗鬆症になると言われており、ステロイド薬などの治療薬による悪化もあります。定期的な骨密度の測定や、脊椎の圧迫骨折などがないかチェックが必要です。

3. 治療薬による副作用

リウマチに使用される薬剤は多種多彩で、効果も期待できる代わりに、それぞれ薬剤による合併症(副作用)の問題もあります。それぞれの薬剤を開始する際に、しっかりと副作用の可能性、内容について理解しておく必要があります。

関節リウマチを見ていくうえで、関節だけでなく、他の臓器の症状や状態についても、適宜観察していく必要があります。その中で、当院は、整形外科だけでなく、皮膚科、内科、膠原病内科などの管理も可能であるため、安心して治療を受けられる体制が整っていると思っています。

もし気になる症状があれば、気軽に主治医、あるいはスタッフに相談するようにしてください。